細かすぎて伝わらない契約書選手権

契約書のニッチなあれこれ

細かすぎる自動延長条項 その2

自動更新条項と自動延長条項、あなたはどちらを多く使いますか?

どちらを多くってのは各社の取引形態にもよるでしょうから、あまり適切な問いではなかったですね(反省)。

ただ、体感としては「更新」がやや多いかなという気がしますが、同時にそれほど使い分けられていないのかなとも思います。
更新でも延長でも結局1年延びるんでしょ的な感じですね。

一度、「ライセンス契約(※許諾料の最低保証部分先払い)を自動更新にしたら、最低保証おかわりになるんですか?」と聞かれて「ん?」となりまして、「更新」というからには既存の契約と同条件の契約がもう一度締結された扱いになるのだろうから、更新期間に応じた最低保証がおかわりされても文句は言えないかも…と思ったんですよ。

本当に別契約と判断されるのか、というところはいまひとつ自信が持てなかったんですが、相手方から「延長じゃなく更新と書いたということはそういうことだろう?」と主張されたくもないので、「間違いのないように自動延長と書いておきましょうか」と進めた次第です。
相手方の思惑がそれと違ったということなら締結前にわかっておいたほうがいいですしね。

もちろん、上記のケースはこちらが許諾料を支払う側だったのでそういう対応をしたのですが、受け取る側の法務だったら「更新にしておけばおかわりできますよ」とささやいただろうことは容易に想像できます。
ただ、騙し討ちみたいになると揉めるので、おかわりを要することを明確に書ききらないのはよくないですが。